GLOSSARY 用語集

メッシュデータ

メッシュデータ_人流データ活用の用語集

都市計画、マーケティング、防災対策など、地理情報や統計情報を効果的に分析する為に活用されるメッシュデータですが、様々な分野における意思決定や計画策定に利用されています。ここでは、メッシュデータに関する基礎情報と合わせて分割した特定地域における商圏や人流をより正確性の高い角度で分析を行うデータについても解説します。

INDEX

メッシュデータとは

メッシュデータは、地図上の情報をデジタル化して、さまざまな統計情報を収集するための地域別に分けたデータを指します。下記グラフのように地理空間(地理的な領域)を格子状に区切ることで、網目状の各単位(メッシュ)に座標や識別子などの地理情報を関連付けています

メッシュデータは、一般的に地図上の広範囲な地域を小さな正方形や六角形などのメッシュに分割(地域メッシュ)し、そのメッシュに固有の識別子や属性情報を持たせています。

エリアの滞在人口(125m_250m_500mメッシュ)
エリアの滞在人口(125m_250m_500mメッシュ)

メッシュ統計とは

メッシュ統計は、そのメッシュにおける各区域ごとの統計情報を集計したものを指します。言い換えれば、メッシュデータは地理的な領域をデータ化したものであり、メッシュ統計はそのメッシュに関連付けられた統計情報を示します。このようなデータの分割は、地域ごとの詳細な分析や比較を容易にします。

地域メッシュ

特定の地域を区切った地域メッシュは、国や地域の行政区分、地形、人口密度などに基づいて設定され、統計データの収集や解析、地域間の比較などに使用されます。また、地図上の広い範囲を均等な単位に分割し、各メッシュに位置情報や統計情報を付与します。これにより、特定の地域における位置や統計的な特性を把握しやすくなります。

位置情報は緯度経度などの座標で示され、統計情報は各メッシュにおける人口統計、経済指標、気象データなどの統計データです。地域メッシュは、GIS(地理情報システム)や地理空間分析において、データの整理や可視化、地域ごとの傾向の理解に幅広く活用されています。

メッシュデータの種類

メッシュは、地理空間情報を格子状に分割した区画のことを指しますが、これらの統計に用いる標準メッシュを総務省統計局では主なものとして、基準地域メッシュ、分割地域メッシュ、統合地域メッシュの3種類と定めています。

基準地域メッシュ

  • 地域を一定の基準(例:緯度経度や行政区域)によって分割し、均一なサイズのメッシュ区画を作成します。
  • 主に広範囲の地域を対象とした統計データの収集や分析に使用されます。
  • 国勢調査や経済センサスなどの国家統計において、地域の人口分布や産業構造の把握に利用されます。

分割地域メッシュ

  • 基準地域メッシュよりも細かい地域を対象として、より詳細な統計情報を取得するために使用されます。
  • 主に都市部や人口密集地域など、地域の細かな変化や特性を把握したい場合に利用されます。
  • マーケティング調査や交通流量解析など、地域ごとの細かいデータが必要な分野で活用されます。

統合地域メッシュ

  • 複数の基準地域メッシュや分割地域メッシュを統合して作成される地域データです。
  • 主に地域間の比較や統計分析、地域全体の傾向を把握するために使用されます。
  • 地域間の人口密度や産業構造の比較、地域ごとの統計データの統合分析などに活用されます。

地域を複数のメッシュに分割し、それぞれのメッシュに識別子や属性情報を付与してデータを管理することで、地理空間情報の解析や可視化、統計処理などが行われます。また、メッシュ区画は、様々なデータフォーマットで提供されています。

位置情報データを基にしとメッシュデータの活用の現状と課題

現在、位置情報データは多くのWebアプリやサービスで使用されています。身近な例では、スマートフォンのGoogle Mapを使用したことがあるユーザーは多いかと思います。これは、GPS機能を利用して、ユーザーの現在いる位置情報を取得しています。

しかし、位置情報を正確に提供する際には、個人情報の保護観点からも地図上にピンポイントで表示することは難しく、数百メートルのメッシュ単位でその場所や混雑度などを表現しています。また、メッシュの中に含まれる建物や施設などを分析する際には、面積按分した情報をから計算を行い地図上に表しているため、対象とする地域によっては他の建物や施設が重なることでその精度は低くなります。

メッシュデータとピンポイントな人流データによるハイブリッドな分析

スマートフォンのGPSデータを匿名化し、個人情報を含まない形で取得したデータをAIで解析して人の流れを把握する技術が地域の分析に役立てています。このデータは、緯度・経度、タイムスタンプ、端末ごとのID情報などを基に、独自のAI解析処理を行うことで、メッシュ単位では難しかったピンポイントなエリアにおいても、非常に高い精度で分析を行うことが可能です。

郊外におけるメッシュデータ活用の重要性

特に地方や郊外においては、町丁目の面積が大きくなるため、どの部分に人口が集中しているのか、商圏の特徴をつかむことが難しいことがあります。しかし、メッシュデータとピンポイントな人流データを用いることで、これらの地域でも均一な基準で地域の実態を把握することができます。その結果、新規出店の計画や店舗分析などにおいて、より正確な情報をもとに戦略を立てることができるようになります。

特に、郊外型立地の店舗開発を行う企業(ホームセンター、ドラッグストア、スーパーなど)では、このピンポイントな人流データの活用が進んでおり、より効率的なビジネス展開をサポートしています。

データの偏りがない正確性の高いピンポイントな統計データ

位置情報(人流)データを活用したメッシュデータは、GPSやモバイル端末の位置情報を収集し、各メッシュセル内の実際の移動パターンや滞在時間を把握します。これにより、よりリアルタイムで詳細な地域分析が可能となり、より効果的な施策の立案やマーケティング戦略の展開が可能となります。

クロスロケーションズが提供するメッシュデータは非常に高い精度を持っているため、特定のメッシュ内で一部の建物の分析を行う際も、ピンポイントエリアでの高精度な分析を実現することが可能です。これにより、位置情報を活用したマーケティングや店舗開発においても価値の高い情報を得ることができます。

メッシュデータを活用したLDS(ロケーションデータサービス)

高精度な位置情報を提供する「LDS(ロケーションデータサービス)」では、このメッシュデータやピンポイントな人流データを効果的に利用しています。LDSは、これまでの通りスマートフォンのGPS位置情報を基に最新のAI技術で解析し、偏りのない人流データを提供することで、ビジネスにおける様々な場面で活用することができます。

メッシュ型位置情報データの活用

一般的な位置情報データの活用では、上記にあげた標準地域メッシュ(地図を同じ大きさの網の目で分割した地点)を対象に分析を行います。しかし、このメッシュの中には分析対象外の店舗や施設など様々な情報が含まれるため、ピンポイントに対象地点を分析を行うには十分な結果が得られないケースがございます。

LDSでは、メッシュ型位置情報データの分析では困難な個別の店舗、工場、オフィス、スタジアムなどの建物単位や複数の施設情報を指定して、ピンポイントに人流分析を行い、かつその分析結果を素早くデータとして把握することができます。

多機能な特長

登録エリアから分析したいエリアを自由に選択することができ、そのエリア内の人流変化や曜日による違いなどを確認できます。さらに、指定したエリアの訪日外国人の日別推移レポートなど、多様な分析オプションを提供しています。

データ連携の柔軟性

位置情報データ分析エンジン“Location Engine™”は、分析データや地域の動態を分析するためのメッシュデータなどを、自社のシステムに連携することができます。これにより、さまざまなプラットフォームやツールとの統合分析が可能となります。

このように、Location Data Service(LDS)は、メッシュデータを駆使して、さまざまなビジネスニーズに対応した高度な位置情報分析を実現しています。

データ活用情報

用語集TOPに戻る