街の景色を埋め尽くす街頭ビジョンや、交通経路に立ち並ぶ看板。それらはすべて、屋外広告(OOH)の一部です。このページでは、OOHとは何かについて、特徴やメリットについて解説します。
OOHとは?
OOH広告(Out-of-Home Advertising)は、屋外の公共スペースや交通経路などに設置された広告(屋外広告、屋外メディア)のことを指します。その広告には様々な形態があり、代表的な空港や駅構内に設置された広告、街頭ビジョン、ポスター、看板、デジタルスクリーンなどがあります。
OOHは、通勤や外出中の人々が目にする機会が多い場所では、視覚的インパクトと長期間の露出により、広告メッセージの記憶に残りやすくなるため、ブランドや製品の認知度向上や販売促進の効果的なマーケティング手法として利用されています。
また、近年はデジタルと組み合わせたDOOH(Digital Out-of-Home)が登場しています。これは、デジタルサイネージやデジタルの大型ビジョンなどを利用して、視覚的なインパクトや多様な角度からミュニケーションが可能になるので、より効果的なマーケティング戦略の一環として、大型のキャンペーンなどに活用されています。

OOH広告の進化と「人流データ連携」によるターゲティングの高度化
近年、OOH広告の中でも特に注目を集めているのが、デジタルサイネージとスマホ位置情報データの連携による新しい広告手法です。
クロスロケーションズは、全国30万面を超えるデジタルサイネージを地図上から比較・検討・発注できる広告プラットフォーム「ラクスルサイネージ」と連携し、サイネージに触れた人のスマホ位置情報をもとに来訪分析や広告配信が可能な新サービスを展開しています。
従来のOOHでは、「価格の不透明さ」や「効果測定の難しさ」が課題とされてきました。しかしこの連携により、OOH広告にいつ・どのくらいの人が接触したかを可視化し、その後の行動(来店など)までを可能にします。
さらに、接触者の推定居住地や勤務地、性年代などをAIで分析し、後日ジオターゲティング広告を配信する「サイネージ人流ターゲティング広告」を提供。サイネージ接触 → デジタル広告 → 来店という一連の流れを、データドリブンで最適化できる仕組みを実現しています。
これにより、OOHは「ただ見せる広告」から、「成果につながる広告」へと進化。視認性だけでなくターゲティング精度や広告効果の可視化を求める広告主にとって、OOH広告の新たな選択肢として注目されています。

OOHの特徴
それでは、次にOOHの特徴について解説いたします。OOH広告のその特徴は何といってもその広範囲の露出と視覚的なインパクトではないでしょうか。それぞれの特徴について以下、見ていきます。
・広範囲の露出
OOHは、都市の主要通りや交通ルート、公共施設などに設置されるため、多くの人々に広告を露出することができます。特に都心部では、通勤や外出中の人々が目にする機会が多いため、視聴者数が非常に多くなります。屋外広告の設置場所だけでなく、地理空間情報を上手く取り入れることで広告主はより効果的なメッセージを多くの人々に伝えることができます。
・視覚的なインパクト
OOHは、大きなサイズや鮮やかな色彩を活用することで、視覚的なインパクトを与えることができます。特に駅の壁面に飾られる大型の看板広告やデジタルスクリーンは、通行人の目を引き、広告メッセージを目立たせます。また、特殊な形状やクリエイティブなデザインを使用することで、広告の視認性をより高めることができます。
OOH広告の種類
街頭ビジョン
街頭ビジョン(屋外ビジョン)は、都市部の主要な交差点や繁華街に設置される大型のビジョンです。高い視認性と視覚的なインパクトを持ち、動画やアニメーションなどの多彩なコンテンツを表示します。通行人や車の運転手が遠目からも視認することができ、静的な広告よりも目を引く効果があります。
看板広告
看板広告は屋外広告の代表的な1つです。建物の外壁や歩道沿いなどに設置される大型の広告看板で、設置エリア周辺を通る歩行者やドライバーを対象に商品やサービスおよび店舗のアピールを訴求軸に沿ったビジュアルとメッセージを使用して通行人の目を引くことができます。動画などのコンテンツが流れる街頭ビジョンと異なり静止画での訴求となります。また、目立つ場所に位置する大型の看板広告は人気が高く企業の新商品の訴求として活用されることが多いです。
ラッピングカー
ラッピングカーは、車両の外装に広告をラッピングする広告手法です。バスやタクシー、配送車などの車両を広告媒体として利用され、移動しながら広告メッセージを周囲に展示します。車体全体を覆う鮮やかなデザインやイラストが特徴です。
交通広告
交通広告は、駅や空港、バスや電車などの公共交通機関を利用した広告手法です。駅のポスターや地下鉄の車内広告などが代表的な形態です。通勤や移動中の人々に広告メッセージを届けることができ、効果的な露出が期待されます。電車通勤をされている方は毎週のように違った広告を普段から目にしているのではないでしょうか。
OOH広告の活用事例
さまざまなOOH広告がある中で、よく目にする都市型のアパレルブランドが行ったOOHのプロモーション活用事例を紹介します。ここでは、新しいストアのオープンを記念して、OOH広告のプロモーションを展開しています。これにより、人々にブランドの存在を知らせ、来店を促すことを目的としたプロモーションになります。
街頭ビジョン広告の活用
キャンペーンの中心として、出店エリアの主要な交差点やショッピング地区に設置された街頭ビジョンに広告を設置します。大型のビジュアルと独自のデザインを用いて、通行人の目を引くことに成功しました。また、新しいストアの場所や営業時間など、具体的な情報も含まれていました。
交通機関の広告に展開
新店舗がある乗車駅やその沿線の中吊り広告や駅構内の展開ポイントに広告を設置します。特に通勤時間帯やショッピング客が多く訪れる時間帯に、広告を設置することで、ブランドの認知度を高めることができます。また、ストアの近くにある駅には、ストアのロゴやオープニングセールの情報を掲示してます。
ソーシャルメディアとの連動
OOH広告を通じてブランドの存在を知った人々に対して、ソーシャルメディアでのフォローアップを行います。広告にはハッシュタグやSNSアカウントの情報が記載し、興味を持った人々が直接ストアのSNSページにアクセスし、最新情報を得ることができるように連動します。その他にも、最近では動画などのブランドコンテンツを用意することで拡散を狙ったプロモーションの起点の1つをオフラインから行う施策としても活用されます。
以上のようなプロモーションは、若い方は特にこれまでに何度か体験したことがあるのではないでしょうか。このような総合的なOOHキャンペーンの結果、ストアのオープンイベントには多くの人々が訪れ、売上げの増加やブランドの認知度向上に役立てることができます。
OOH広告は、新たに地域のコミュニティにアプローチするための効果的なツールとして、多くの企業に利用されています。
おわりに
OOH広告は、都市の空間を最大限に活かし、広範囲かつ高頻度にリーチできる強力なマーケティング手段です。中でも近年は、人流データや位置情報テクノロジーの活用によって、OOHの効果測定やターゲティング精度が飛躍的に向上しています。
クロスロケーションズでは、広告接触者の行動傾向や居住エリアを分析できる「人流アナリティクス®」や、「来訪計測」機能と連動したジオターゲティング広告の運用支援を通じて、OOH広告の可能性をさらに広げています。
OOH広告の効果を“見える化”し、次の施策へとつなげたい方は、まずは人流データを活用した分析から始めてみませんか?
おすすめ記事(効果測定の理解に)
無料アカウントで人流データの活用を体験
まずは、人流アナリティクス®の無料アカウント登録で、実際にエリアの人流傾向や広告接触の可視化を体感してみてください。