古くから存在する屋外広告のOOH(Out-of-Home)については別の記事で詳しく説明していますが、DOOH(Digital Out-of-Home)もOOHと同じく主に公共の場や交通機関の周辺、商業施設の外などで利用されています。
特にデジタル技術の進化により、最新のDOOH(Digital Out of Home)広告は急速に進化し、視聴者の関心を引きつける斬新な方法が増えています。このページでは、市場が年々拡大しているDOOHとは何かについて触れ、その特徴や利点についても解説します。
DOOHとは?
DOOH(Digital Out of Home)は、屋外や公共の場所に設置されたデジタルな屋外広告のことを指します。街中の大型ビジョンや駅のデジタル案内板、店舗内の小型スクリーンなどがその代表的な形態です。これらの広告は、デジタル技術を活用して情報を表示し、視覚的なインパクトを与えることができます。
DOOHの市場規模はコロナの影響で街に人の姿が少なくなり、広告主側も広告の掲載を控えるなどの影響により一時的な縮小はしましたが、コロナ禍が明けて街に人が戻り、インバウンド(訪日外国人)も復活したことで、デジタル技術を活かしたデジタル屋外広告が今後も大きく成長すると予想されています。
DOOHの特徴と内容について
DOOHの特徴は、動的なコンテンツやインターネットに接続されていることで、カメラやセンサーなど、IOT機器と連動することでリアルな状況を把握した要素を組み合わせることが可能です。
これらのデジタル技術を用いることで、広告内容をリアルタイムに更新したり、視聴者の属性や行動に合わせてコンテンツを変化させることで、より効果的なターゲティングが可能となり、広告のパフォーマンスを向上させることができます。また、ビジュアルや動画、インタラクティブな要素を組み合わせることで、視覚的なインパクトを高め、視聴者の関心を引きつけることもできます。
ダイナミックDOOH
ダイナミックOOHは、リアルタイムで変化するコンテンツを表示することができる特徴を持ちます。例えば、特定の時間帯や天候条件、あるいは視聴者の属性や行動に応じた広告内容を自動的に変更することができます。また、天気が雨の日には傘の広告を表示したり、昼間には日焼け止めの広告を表示するなど、掲載場所の特性に合わせてターゲットのニーズや状況に合う適切なメッセージを届けることができます。
プログラマティックDOOH
プログラマティックDOOHは、インターネット上のデータやアルゴリズムなどのデジタル技術を活用して、屋外広告を自動的に配信する仕組みです。これにより、オフラインの世界でも、デジタル屋外広告スペースの購入やコンテンツの配信を自動化し、リアルタイムで広告を最適化することが可能となります。広告主は、人々の行動や属性に基づいた広告をパーソナライズし、より精度の高いターゲティングを実現することができます。
プログラマティックOOHは、広告の配信方法に焦点を当てており、ターゲットや状況に合わせて広告を自動的に最適化します。一方、ダイナミックOOHは、広告のコンテンツ自体が変化することに焦点を当てており、視聴者により関心を引くためのリアルタイムな広告メッセージを提供します。
ダイナミックDOOHとプログラマティックDOOHの違い
プログラマティックOOHとダイナミックOOHは、両方ともデジタル技術を活用して広告を配信する方法ですが、その仕組みや特徴には違いがあります。プログラマティックOOHは、広告の配信方法に焦点を当てており、ターゲットや状況に合わせて広告を自動的に最適化します。一方、ダイナミックOOHは、広告のコンテンツ自体が変化することに焦点を当てており、視聴者により関心を引くためのリアルタイムな広告メッセージを提供します。
DOOH広告の種類
それでは、DOOHにはどのような種類があるかを見ていきましょう。次にあげるのは代表的なDOOHになります。
街中の大型ビジョン
DOOHを取り入れた街頭ビジョン(屋外ビジョン)では、リアルタイムの情報提供を行うことが可能です。例えば、天気予報やニュース、交通情報などのリアルタイム情報を表示することで、視聴者の関心を引き付けます。また、設置エリアの視聴者の属性や行動に基づいてターゲット指向の広告を配信することで特定の時間帯や地域に応じて広告を切り替えたり、周囲の状況に合わせて広告をカスタマイズしたりすることが可能です。
デジタルサイネージ
デジタルサイネージは、商業施設や公共スペースなどに設置されたデジタルディスプレイです。静止画や動画などのコンテンツを表示し、情報を提供するだけでなく、視聴者とのインタラクションを促すことができます。例えば、タッチスクリーンを備えたデジタルサイネージでは、視聴者がコンテンツを選択したり、詳細情報を表示したりすることが可能です。最近ではインバウンドに対応した多言語のデジタルスクリーンを設置して案内を行うなどのパネルも増えてきています。
交通広告
DOOHを利用した交通広告は、主要な交通機関や駅、空港などの公共の場所で見られる広告の一形態であり、最近ではデジタル技術の発展により、視聴者の属性や行動に基づいてターゲット指向の広告を配信することでより効果的な広告手法が導入されています。例えば、特定の時間帯や地域に応じて広告を切り替えたり、利用者の興味や嗜好に合わせて広告をカスタマイズしたりすることが可能です。
DOOHのトレンドとデジタル広告との組み合わせ
海外では、DOOH(Digital Out of Home)広告は急速に進化しています。特に、デジタル技術の発展により、視聴者の関心を引きつける斬新な方法が増えています。その特徴的な内容について触れてみます。
インタラクティブな体験
最新の海外では、インタラクティブなDOOH広告が注目されています。タッチスクリーンやジェスチャー認識技術を活用し、視聴者が広告と直接やり取りできるようになっています。これにより、視聴者の参加度と関心を高め、広告効果を向上させることが期待されています。また、国内でも巨大な3D猫が登場するクロス新宿ビジョンの「新宿東口の猫」が話題になっています。
AIを活用したデータ駆動型の広告
人工知能(AI)や機械学習を活用して、視聴者の属性や行動データを分析し、ターゲットに合った広告をリアルタイムで配信することが可能になっています。これにより、これまで以上に広告のパーソナライズが向上し、広告主にとってより効果的な広告キャンペーンを展開することができます。
デジタル広告との組み合わせ
DOOH広告の中でもデジタル広告と組み合わせた体験型のキャンペーンが増加しています。例えば、広告スクリーン上にQRコードやSNSのハッシュタグを表示し、視聴者がスマートフォンでアクセスすることで、より詳細な情報や特典を提供することができます。また、オンラインキャンペーンと連動させることで、リアルとデジタルの相乗効果を生み出した体験型のキャンペーンを展開することができます。
最新のDOOHトレンドとデジタル広告との組み合わせは、より効果的なマーケティング戦略の実現に向けて進化しています。また、DOOHには位置情報データの活用と効果測定により、広告主はよりターゲットに近い広告を提供し、視聴者の関心を高めることができます。
位置情報データを活用した効果測定事例
JR東日本企画のUniversal OOHプロジェクト
JR東日本企画(以下jeki)の「Universal OOH」プロジェクトでは、広告効果をわかりやすく可視化するためにオリジナルの広告効果指標・可視化ツール「Universal OOH Plus」を開発しています。このプロジェクトでは、広告の掲出時にどのくらいの人が接触したかを曜日別、性別別、年代別に可視化することを目指しています。この取り組みにおいて、クロスロケーションズ株式会社が提供する人流データが基礎データの一つとして活用されています。
屋外広告における位置情報データの活用と効果測定
位置情報データを使ったデジタル屋外広告(DOOH)の活用が増えています。これにより、視聴者の行動や好みを詳細に分析し、ターゲットに合った広告を配信できるようになりました。
以前は、広告の視聴効果を近隣駅の乗車データや手動での計測に依存していましたが、今ではAIカメラやGPS、beacon、Wi-Fiなどのデバイスを活用して、広告の配信と効果測定が行われています。これにより、視聴者の行動や反応をリアルタイムに把握し、キャンペーンの最適化が可能になりました。
クロスロケーションズでは、DOOH広告と連動したリアルタイムのデジタル広告配信やその場にいた人(視聴できる場所にいた)を追いかけるリターゲティング広告を、国内最大級の位置情報データを活用して実現しています。
また、位置情報データを活用した広告から効果測定までの一連の流れを提供しています。詳細は以下の記事をご覧ください。また、サービスに関する資料もご用意しています。
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