ドミナント戦略とは
チェーンストアなどの多店舗展開の小売業が特定のエリアに絞って出店する戦略をドミナント戦略(ドミナント出店、Area-Dominant Stragetyなど)と言います。
ドミナント戦略の利点としては、サプライチェーンや人材の登用や配置、販売促進・広告活動などの経営資源をある特定の地域に集中させることで、経営の効率を図ることができます。また、その地域の占有率を上げることで知名度が上がり、生活者に対して、安心なブランド、身近なブランドなどのイメージを訴求することができます。すでにその地域の市場シェアをある程度獲得しているだけでなく、生活者が思い浮かべるマインドシェアも高いため、競合他社が新規に出店しようにもマイナスからの戦いを強いられるという印象があり、高い参入障壁を築くことにもなります。
また、エリアマーケティングを実施する場合、国勢調査のデータを元に、その地域特有のデモグラフィック情報(性別や年齢層)、一戸建て/集合住宅、あるいは持ち家/借家などの住宅情報、また世帯構成など、ある程度のボリュームで捉えることで、出店計画や販促戦略の立案がしやすくなります。
Location AI Platformでは複数の町丁目(ちょうちょうもく、XX町XX丁目のこと)を選択して、その地域の国勢調査データを全国平均と比べて見ることができる。
一方で、ドミナント戦略のデメリットとしては、自社ブランドの店舗同士が近いことで同じ顧客を取り合う「カニバリゼーション」という現象が起きることが、従来より課題として指摘されていました。
実際に、近年コンビニチェーンのフランチャイズでは出店が過密し、2019年には顧客の獲得やアルバイト定員の確保の難しさなどの問題が表面化し、ドミナント戦略の難しさがニュースで取りあげられたりもしました。
このような状況の中、最新のDXツールを使って、ドミナント戦略の効果の見える化をしようという試みが行われております。
例えば、来訪者の人流データを元に実商圏を地図上に表示することで、カニバリゼーションの度合いや、逆に地域の空白地帯を見つけることが容易になりました。
特に、2020年はコロナウィルスの影響で、自宅の近隣で買い物をするユーザーが増えて、スーパーマーケットなど実商圏が前年に比べて縮小傾向にある中、カインズやワークマンを傘下に持つベイシアグループの中核企業である株式会社ベイシアでは、Location AI Platform™ のエリア内訪問分析機能などを地域のドミナント戦略に活用して課題に取り組んでいます。
■株式会社ベイシア様 事例
【カインズやワークマンを傘下に持つベイシアグループの中核企業である株式会社ベイシアが、位置情報データ活用クラウド型プラットフォーム「 Location AI Platform™ 」を採用】
https://www.x-locations.com/case-study/beisia/