サイネージ広告の投資判断をデータで裏付けし、オンオフ統合で成果を引き出す
駅やオフィス街、商業施設など、日常の動線上に設置される屋外広告(OOH)は、消費者に自然にリーチできる強力なメディアです。近年ではデジタルサイネージをはじめとするDOOH(デジタル屋外広告)の普及が進み、人流の回復も相まって、市場は新型コロナ禍前を超える勢いで拡大しています。
しかし一方で、「広告がどれほどの人に届いたのか」「出稿によって実際にどのような効果があったのか」といった問いに、明確なデータで答えるのは難しく、これまで広告枠の選定や投資判断は、経験や勘に頼らざるを得ない場面も多くありました。近年はIoT技術の発展で一見可視化が進んだように見えても、依然として実務レベルでの定量判断は難しいのが現状です。
こうした課題に対し、クロスロケーションズは人流データを活用し、OOH/DOOHの「見える化」と「効果測定」を実現。データに基づいた投資判断やPDCAサイクルを可能にする仕組みを提供しています。これにより、従来の勘や経験に頼る広告運用から、科学的なデータドリブン運用へと進化が始まっています。
OOH広告における「見えづらさ」の課題
従来のOOH広告では、広告が実際に誰に届いたのか(接触)、どれだけの人がその後の行動に移ったのか(来訪・購買)といった「効果」を定量的に把握するのは困難でした。
たとえば、駅前や繁華街に設置されたサイネージを選ぶ際も、広告主は立地や過去実績、あるいは“肌感覚”に頼るしかありませんでした。理由は、「どの広告枠に投資すべきか」「どれほどの費用対効果が見込めるのか」といった判断を、データに基づいて下すことができなかったのです。
人流データによるOOH広告の可視化と効果測定
クロスロケーションズは、これまでも自社の人流データ活用プラットフォーム Location AI Platform®(LAP) を通じて、さまざま屋外広告媒体と人流データを連携してきました。そして、新たに全国30万面以上のサイネージを比較検討・発注できる広告プラットフォーム「ラクスルサイネージ」と連携を開始したことで、国内サイネージ市場に大きな変化をもたらしています。
この連携により、サイネージの設置地点ごとの人流データが日時で提供され、これまでブラックボックスだったサイネージの価値が「見える化」されました。これにより、広告主は各サイネージの「想定視認者数」を定量的に把握できるようになり、媒体選定を直感ではなくデータに基づいて行うことが可能になります。

さらに、出稿後は「来訪計測レポート」を通じて、広告を見たと推定される人々が実際に店舗や施設を訪れたかどうかを確認できます。OOH広告の価値は、掲出そのものではなく「接触後の行動変化」にあります。媒体選定から効果測定までをデータで一貫して管理できるようになったことで、OOH広告の新しい活用ステージが開かれています。
「サイネージ×人流データ」の新たな広告活用
さらに、人流データの活用はオフラインにおける屋外広告の可視化だけでなく新サービス 「サイネージ人流ターゲティング広告」 では、屋外サイネージで広告に接触したユーザーに対し、スマートフォン広告(DSP・SNS広告)を配信。
通勤・買い物・帰宅といった生活動線に沿って複数チャネルでアプローチすることで、認知から比較検討、来店行動までを一貫して後押しします。OOHとデジタルを組み合わせたオンオフ統合型広告の新たな形が注目されています。

人流オープンデータが注目される背景
都市のにぎわいや業界の動向を把握する上で、人流データは欠かせない基盤情報となっています。観光政策、都市計画、出店戦略、マーケティング、研究調査など、幅広い分野で「どの場所に、どれほどの人が集まっているのか」を把握することは重要な意味を持っています。
近年では、国土交通省や大学研究機関、自治体などが人流オープンデータを公開し、社会的な関心も高まり一般利用も可能になっています。中でもクロスロケーションズの「人流トレンド」は、全国60都市・16業界の最新動向を毎日更新し、誰でもWebから閲覧できる利便性が特長です。下記にそのデータについて紹介します。


公開データの概要
特徴1. 全国60都市・16業界をカバー
大都市から地方都市まで幅広く対象。さらに飲食・小売・観光・娯楽など16業界ごとに人流を分類しているため、都市別・業界別に傾向を把握できます。
特徴2. 最新データを毎日更新
通常の統計データが月次や年次での更新にとどまるのに対し、人流トレンドでは前日分を翌日に反映。イベントや季節要因による短期的な変化もタイムリーに確認できます。また、2019年以降の過去データも保有しており、コロナ禍以前と現在を比較する分析も可能です。
特徴3. Webから自由に閲覧できる
アカウント登録や申込は不要。Webページからいつでもアクセスできるため、全国の人流オープンデータを探している方にとって手軽な入口となります。※「人流アナリティクス」の無料サービスはアカウント登録が必要です。
過去データも2019年以降を網羅しており、コロナ禍以前との比較や季節要因の分析も可能です。
人流データの概要
・データソース:許諾を得たスマートフォンアプリ由来のGPSデータ
・対象都市:全国60都市
・対象業界:飲食、小売、観光、娯楽など16業界
・更新頻度:毎日(前日までの人流を反映)
・公開形式:Web上のグラフ/表
・提供形式:CSV・Excel形式のデータ提供も可能(要お問い合わせ)
活用できるシーン
- 自治体・観光事業者:観光地や繁華街の人出変動を把握し、施策立案に活用
- 企業・商業施設:商圏の人流を確認し、新規出店や販促戦略の立案に活用
- 研究機関・報道関係者:都市ごとの人の流れや業界別の傾向を分析・調査・記事素材として利用
- コンサルティング:都市活性化や事業提案の根拠データとして活用
人流データの信頼性
クロスロケーションズが提供する人流データは、独自のAI解析による信頼性の高い分析データを実現するように設計されています。
- サンプル数:月間アクティブユーザー数(MAU)9,300万 ※1. AIが推計に使用する標本データ数
- データ発信元:iOS / Androidの数千種類のアプリ
- 蓄積データ量:累計1兆9千億レコード(2019年1月〜2024年10月)
- 月次追加データ量:約950億レコード
これにより、特定のアプリやキャリアに依存しない幅広いデータをもとに、人流傾向を把握できます。
さらに深く人流データを活用したい方へ
人流オープンデータを日常的に使いたい方には、クラウド型人流分析サービス 「人流アナリティクス®」 の無料アカウント登録がおすすめです。
オンライン上で簡単に人流データを比較・分析でき、オープンデータでは得られない機能をご利用いただけます。また、観光地向けの「人流アナリティクスツーリズム」版では、有名観光地のデータを無料で閲覧・活用できます。
まとめ
全国の人流オープンデータを探している方にとって、「人流トレンド」は最新の人流動向を確認できる便利な入口です。自治体、研究機関、企業、報道など幅広い分野でご活用いただけます。
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