ジオターゲティングで地域を絞った広告を配信して集客するには?

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執筆者 XLマーケティングチーム
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位置情報を活用したジオターゲティング広告

 スマートフォンの普及と通信技術の進化により、リアル世界の人々の行動履歴は簡単に追跡することができるようになりました。技術の進歩から、高精度な位置情報データの収集が可能となり、データから消費者行動の分析を行うことで最適な商圏エリアの選定を行ったり、デジタル広告では地域を特定したスマホ広告の配信などマーケティングに活用されているのがジオターゲティングです。

ジオターゲティングは、店舗や施設のマーケティングにおいてターゲット地域を決めて集客を目的とする広告からオンラインではアプローチできない特定地域にいる人や複数拠点を選択してリアルな行動を行っている人たちに向けた認知訴求など位置情報を使ったさまざまターゲティング方法があります。その他にもこれまで費用対効果が追いづらかったお店への誘導にもジオターゲティングを活用することができます。

位置情報を活用したスマートフォン広告では、実際に広告を見たユーザーがお店に来店・来訪したか迄を把握することができる為、ジオターゲティング(位置情報)広告を上手く活用することで費用対効果が分かる集客性の高い広告を展開することが可能です。

本稿では、位置情報を活用した「ジオターゲティング広告」を正しく理解し、エリアマーケティングを行う施策の検討候補となる「ポスティング広告」や「地域ターゲティング広告」との比較を通して、ジオターゲティング広告のメリットとそ事例を用いた活用方法をご紹介します。

ポスティング広告とは?

 ポスティング広告とは対象の地域の個人宅等のポストへ広告(チラシ)を投函して集客するための広告です。

ポスティング広告でよく見かけるのは、宅配ピザなどのデリバリー広告です。配達する地域を住所で明確に限定されているため、ポスティング広告との相性がとてもいいのです。
ターゲットにしたい地域や物件に焦点を当てて集客が出来るため、地域に特化した店舗や企業がよく活用している広告です。

ポスティング広告のメリット

物理的な触れる広告

ポスティング広告は、受け取る人々が直接手に取って読むことができる物理的な広告です。直感的にサービス内容を読み物として触れる要素は、ユーザーの印象を深めるのに役立ちます。

競合他社との差別化

競合他社との差別化を図るためにエリアを指定した配布ができます。また、独自のデザインやクリエイティブのアプローチを使用することで、より効果的にユーザーの目を引く広告を届けることができます。

特別なプロモーションやイベントの宣伝

特別なプロモーション、セール、地域イベントなど、時間に制約のある情報を素早く広めるのに適しています。

ポスティング広告のデメリット

コストと効果の測定が難しい

ポスティング広告や折り込み広告の効果は正確に測定しにくいことがあります。
反応率やROI(投資対効果)を追跡することが難しく、広告の成功を評価するのが難しいことがあります。

ターゲットの制御が難しい

ポスティング広告では、配布する地域や世帯を折り込み会社が選定したエリアを元に選んで配布することが一般的ですが配布するターゲットが実際の実行動に紐づいたエリアかを特定することは難しいです。

リアルタイムの更新が難しい

ポスティング広告は印刷物であるため、内容をリアルタイムで更新するのが難しいです。
キャンペーンの変更や最新情報の反映が遅れることがあります。

地域ターゲティング広告とは?

 地域ターゲティング広告は、Google広告で活用されている広告を表示する地域を指定できるエリアを絞ったターゲティング広告です。
地域ターゲティング広告で設定できるユーザーは、以下です。

  • 「〇〇市 〇〇」など、当該の市の情報を複数回検索した履歴のある人
  • マップで頻繁に渋谷区に訪れていることが分かる人
  • インターネットへの接続基地局が該当のエリア内である人

これらはあくまで検索エンジン会社の判断で「〇〇市にゆかりがある」と判断した人です。「仕事や興味で該当のエリアを何度も検索しただけの、実は全く顧客対象ではない人」も含まれています。

 この仕組みで疑問に感じるのは、「ポスティングのようにピンポイントにターゲットを絞った広告は出せないのか?」ということ。
結論からお伝えすると、ある程度ターゲットを絞れても精度は低くなります。

ポスティング広告のように人の手で広告を配るわけではないため、ターゲットとしたい詳細な範囲や物件を設定して広告を出すことができません。

宅配ピザを例にすると、場所を詳細に設定できないため、配達地域の圏外に住んでいる方に広告を配信する可能性もあります。また、大都市圏の住宅街などで、他の店舗が配達できれば問題ありませんが、郊外では配達できない地域のユーザーに広告を表示する可能性があるため、お客様にご迷惑をお掛けする可能性があります。

 また、広告配信の対象は「〇〇市 〇〇」など、当該の住所の情報を検索した人ですが、新しく引っ越してきたならまだしも、長年自分の住んでいる場所を、住所で何度も検索したことがある人は少ないのではないでしょうか?

ではインターネット広告で、詳細なエリアを絞った広告を配信することは不可能なのでしょうか?
そんな要望にお答えする広告が「ジオターゲティング広告」です。

ジオターゲティング広告でできること

ジオターゲティング広告を使う場合、「〇〇市〇〇町」が決められている場合、その範囲だけに広告を配信できるため、とても精度が高いです。

さらに、ジオターゲティング広告を使うと、「〇〇市〇〇町」に広告を配信しようと考える必要がありません。

例えば、もしあなたがある店舗のオーナーであった場合に、「自分の店舗に来る可能性が高いお客様に効率よく広告を配信したい」と思いませんか?そうであれば、住所で区切るよりも、「店舗から半径500メートル以内」と指定することで集客できますし、道路や電車の路線の配置によっては、円ではない複雑な形状で配信エリアを指定したくなるでしょう。
ジオターゲティング広告ならそれができるのです。

ジオターゲティング広告なら指定エリアを10メートル程度の範囲で設定可能できます。また、過去の行動パターンからピンポイントに「顧客になる可能性が高いユーザー」を絞って広告配信することができます。

もう少しわかりやすく説明すると、例えば、新規オープンのスーパーマーケットの広告を配信する場合、同じ地域に住んでいる人でも、周辺の別店舗に週3回来店している人と、スーパーマーケットを過去1年間利用していない人。どちらに広告を表示するほうが来店してもらえる可能性が高いでしょうか。やはり、別店舗でスーパーに頻繁に通う人ではないでしょうか。

過去1年間スーパーを利用していない人は、例えば、自炊はしない一人暮らしの方や、ご家族が買い物をしてくれて自分で買い物をしない方、あるいは子どものスマートフォンユーザーかもしれません。もしそうなら、頻繁にスーパーの広告が配信されても興味を示さないでしょう。

また、例えば、ジオターゲティング広告なら、指定した路線を使っているユーザーに対して広告表示する設定も可能です。大都市圏であれば、居住地が同じ範囲内でも、路線Aを使う人と路線Bを使う人に分かれる地域もあるでしょう。

路線Aのとある駅前の店を宣伝したい場合、当然、その駅前の近所に加えて、路線Aを使っている人に対して広告を出すのが効率的です。路線Bを使っている人に広告してもあまり効果は期待できません。

スマートフォンの位置情報を活用、蓄積、分析して広告を配信するジオターゲティング広告では、以上のような効率的な広告の配信が可能になるのです。

地域ターゲティングとジオターゲティングの違い 

ここで、ポスティング広告、地域ターゲティング広告と、ジオターゲティング広告についてもう一度まとめます。

・ポスティング広告

居住エリアに対して細かい指定が可能。配布物は基本紙媒体で行い独自のデザインやクリエイティブのアプローチ実現ができます。

・地域ターゲティング広告

インターネットの接続地域や検索キーワード、過去の検索履歴などを参考とし、ある特定の地域を限定して広告配信ができるGoogleやYahooのターゲティング設定です。

・ジオターゲティング広告

地域に対してのターゲット設定は約10メートルから可能で、通学や通勤で使用している路線、過去の行動範囲など、過去の行動履歴を参照して詳細な指定ができる。

このように比較してみると、ジオターゲティング広告の効率の良さがよくわかるのではないでしょうか?

位置情報データを活用したジオターゲティング広告の活用事例

 最後にスマートフォンの位置情報を活用、蓄積、分析して広告を配信するジオターゲティング広告が、どのような業界で使われているのか事例を紹介します。

乳製品メーカー

ターゲット:子育て中の母親世代
設定地域:該当する地域の赤ちゃん本舗や西松屋に訪れたことがある人
解説:子供服店を訪れる人は子育て中の母親世代であるため。

マンション・住宅販売

ターゲット:所得が安定していてローンが通りやすいファミリー層
設定地域:官公庁・市役所、保育所・幼稚園
解説:所得の安定している公務員は住宅ローンの審査が通りやすく、保育所・幼稚園を訪れた親世代はこれからマンションを買う可能性が高い。

高級アパレルブランド

ターゲット:富裕層
設定地域:該当する地域のタワーマンション在住者
解説:その地域で価格の高いタワーマンションを設定して富裕層をターゲットにした事例。

活用事例を参考にして、あなたの業種にあうジオターゲティング広告の活用方法をイメージしていただけるのではないでしょうか?

まとめ

 ジオターゲティング広告は、集客できる可能性の高いターゲットに絞り、適格に広告を配信できる、非常に高精度かつ効率の良い広告です。

様々な広告を利用してている中でこれまでリーチができない層へのアプローチを検討されている方や従来の手法では価値のあるコンバージョン獲得につながらないと感じた経験のある方は、「この地域の/この年齢層で/こんな人で」をターゲット設定できるジオターゲティング広告をお試しください。


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 クロスロケーションズマーケティング担当者
クロスロケーションズ株式会社マーケティングチーム

クロスロケーションズは位置情報ビッグデータの独自解析エンジンとその機能を使ったクラウド型人流分析プラットフォームを展開しています。 マーケティングチームでは、「Location Engine™」から取得できる準リアルタイムの人流統計データを活用してビジネスから社会課題の解決まで幅広くお手伝いができるように活動しています。

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