サウナブームにおける人気銭湯の人出の変化はどうなったのか 東京のサウナ聖地 東中野の松本湯を人流データを活用して分析

【店舗 人流データ活用例】サウナブームの人流変化を分析

サウナブームにおける人気銭湯の人出の変化はどうなったのか
東京のサウナの聖地 松本湯を人流データを活用して調査

今年も残り2か月になりました。10月中旬から全国旅行支援や海外からの個人旅行観光客受け入れの再開など、少しずつコロナ禍前の状態に戻りつつあります。そんなコロナ禍の中でも、ブームになったものがいくつかありますが、その中のひとつに『サウナ』があげられます。現在は「第3次サウナブーム」 と言われており、各地に個室サウナやアウトドアサウナ(テントサウナ)などが増え、施設の形態も多様化しています。

以前からある、街の銭湯(スーパー銭湯を含め)やサウナ施設がにぎわいをみせている昨今、東京の人気銭湯サウナの人流の変化や、来訪エリアはどうなっているのか。このたび、東京都中野区の松本湯様(※以下、敬称略 1936年創業の老舗の銭湯サウナ)にご協力いただきコロナ禍前の2019年とリニューアルを行った後のコロナ禍の現在の人出の変化を調査しました。

※松本湯は東京と中野区の東中野と落合の間にあり、1936年(昭和11年)創業の老舗の銭湯で、2021年8月にリニューアルオープンしました。当社のLocation AI Platform®を活用し、こちらの松本湯における人出の変化を人流データを活用して調査しました。

■対象地点の人流を把握するために銭湯サウナを登録

分析対象地点(地図上からピンポイントに分析地点を登録)
図1.  対象エリアを地図上から指定

クロスロケーションズは、独自開発の位置情報ビッグデータ解析エンジン「Location Engine™(以下、LE)」とその機能を使ったクラウド型分析プラットフォーム「 Location AI Platform®(以下、LAP) 」を活用することで人流分析を行います。始めに上記地図上から分析を行う対象地点をピンポイントに設定することで、広域なメッシュ(125m範囲などの)ではない指定内で収集したスマートフォンの位置情報データを解析し、対象エリアに訪れた来訪者の人流を分析いたします。

※人流データは個人情報を除く利用許諾を得たスマートフォンアプリの位置情報(GPS)を独自開発「Location Engine ™」の解析技術により、地図・施設情報などの情報を含めた推計データになります。

■2019年,2021年,2022年の各年代別における日ごとの人流を分析
 ※各年のCSVデータを比較しやすいようグラフに加工

2019年7月のテレビドラマ「サ道」の放送開始がきっかけと言われている第3次サウナブームから、コロナ禍での松本湯のリニューアル(2021年8月以降)、そして2022年の3つの期間を比較するために対象期間を2022年9月1日~2022年10月31日に設定して人流を分析しました。

図2.  2019年・2021年・2022年9月1日~10月31日期間の日ごとの人流変化

■来訪者の人流変化

2019年(リニューアル前)と人流データを比較すると、2021年(リニューアルから1か月後)には来訪数が増加傾向になり、2022年には110%以上の来訪数が伸びています。第3次サウナブーム初期から、2021年8月の施設リニューアルを経て、来訪数が順調に伸びていることがデータからもわかります。

図3.  2019年・2021年・2022年9月1日~10月31日期間の年代別の人流変化
図3.  2019年・2021年・2022年9月1日~10月31日期間の年代別の人流変化

■世代別における来訪者の人流変化

来訪者の年代別の変化では、2019年と比べて20歳代から40歳代の来訪者が全体的に大きく増えていることがわかります。また、全体の中でも来訪者の割合が高い40代の来訪者は2019年と比べて2022年には約15%増えています。人流データを活用した来訪者の分析から2021年のリニューアルと第3次サウナブームによる影響よりコロナ禍にあっても全体的な来訪者が増えていることが分かります。それでは、来訪者はどの地域から増えているかについて次の章で確認したいと思います。

図4.  2019年・2021年・2022年9月1日~10月31日期間の世代別の人流変化
図4.  2019年・2021年・2022年9月1日~10月31日期間の世代別の人流変化

■来訪エリアの変化を分析

位置情報解析データを元に松本湯リニューアル以前の2019年7月~2019年9月と、リニューアル後の2022年7月~2022年9月における3カ月の期間を対象として来訪者の商圏を比較してみました。

図5.  来訪者の商圏エリアの変化(2019年、2022年7月1日~9月30日の2か月間)

松本湯にどのエリアから訪れているか。リニューアル以降明らかに来訪エリアが広がっています。また、来ている都道府県についてもLocation AI Platform®を活用して分析いたしました。分析結果は以下の通りになります。

■2019年7月~9月の来訪エリア(6)
東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・宮城県・福岡県

■2022年7月~9月の来訪エリア(9)
東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・北海道・大阪府・京都府・奈良県・福岡県

関西や北海道の遠方からも、来訪されています。

また、東京都に絞ってみると、さらに興味深いデータがわかりました。

■2019年7月~9月 都内のみ来訪エリア(9)

中野区・杉並区・豊島区・新宿区・渋谷区・品川区・目黒区・港区・稲城市

■2022年7月~9月 都内のみ来訪エリア(26)

中野区・杉並区・豊島区・新宿区・渋谷区・品川区・目黒区・港区
世田谷区・板橋区・練馬区・葛飾区・江東区・大田区・墨田区・台東区・北区

国分寺市・国立市・狛江市・小金井市・小平市・西東京市・調布市・東久留米市・府中市
リニューアル前は中野区近隣エリアが来訪エリアの中心でしたが、2022年(リニューアルして約1年経過後)26エリアから東中野の松本湯に来訪しています。

東京都の区と市を合わせると46の市区があり、そのうちの半分以上の地域から

東中野の街銭湯に来訪していることを考えると、松本湯はデータ上でも、
東京のサウナ聖地のひとつ、と言えるのではないでしょうか。

■サウナブームにおける今後の流れ

今回の調査は、松本湯に協力をいただきコロナ禍、サウナブームによる人出の変化について人流データを活用して分析を行いました。2020年から続いたコロナ禍による影響により人々の生活行動が大きく変化したといわれています。その中でも有名な銭湯サウナでは、都道府県をまたぐ他県からの来訪者が増えたことにより、これまで以上に商圏が広がっていることがわかりました。特に訪問しやすい沿線上にある銭湯サウナではこれまで以上に広域から訪れる人が増えることが予想されます。すでに街のおでかけスポットになっている施設も存在し、東京近郊の「ととのう旅」として街の銭湯サウナを巡る旅プランやメディアも数多くでていることからも銭湯サウナは今後、地域活性化における一つのコンテンツとして重要な役割になることが考えられます。

クロスロケーションズはココロもカラダもスッキリととのうサ活(サウナ活動)について今後も人流データを通して応援していきます。この度の人流データを活用した分析についてご興味のある方はご希望の施設や店舗などの情報を元にデモのご依頼を受け付けています。お気軽にご相談ください。

■人流データについて

クロスロケーションズが提供する人流データは、ユーザーからの利用許諾を得たスマートフォンアプリのGPSデータによる位置情報を独自に開発した「Location Engine ™️」により、地図・施設情報と連携させて解析した推計データです。

■松本湯について

松本湯は1936年(昭和11年)創業の銭湯で、東京都の東中野にあります。
2021年8月1日にリニューアルオープンした人気の銭湯です。
フィンランド製サウナストーブとオートロウリュを設置したサウナや冷たい水風呂をはじめとするサウナーが注目する人気の浴場です。

https://www.matsumoto-yu.com/