【来店者分析】位置情報を活用した店舗運営に欠かせない顧客行動分析

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執筆者 XLマーケティングチーム
【来店者分析】位置情報を活用した店舗運営に欠かせない顧客行動分析

店舗運営における成功は、顧客の行動を深く理解し、効果的な施策に結びつけることにあります。本記事では、店舗運営に携わる方を対象に、位置情報を活用した来店者分析の重要性から始め、店舗運営における課題、位置情報データの有効活用法、事例紹介、最終的には分析結果をマーケティングに活かす方法について解説します。

INDEX

来店者分析とは

来店者分析は、店舗に訪れる顧客の行動や属性を詳細に分析し、そのデータから得られた情報に基づいて店舗運営を最適化する手法です。分析では、来店者の年齢、性別などの属性情報から始まり、滞在時間や居住地などの行動データを集め、顧客のニーズを把握することができます。これにより、店舗運営を最適化し、効率化や戦略の改善点を見つけ、集客施策につなげることが可能です。また、競合分析を通じて競争優位性を見い出すことを目的としています。

来店者分析の課題

店舗運営において、自社サービスの会員情報などから既存顧客の傾向はある程度つかみやすい一方で、自社と関わりのない顧客や検討段階にいる顧客の来店情報は把握が難しいです。また、リサーチやアンケートを実施している企業においても、現在の来店者状況や商品検討者のプロフィールを把握するのは難しく、継続的な集客につなげるための情報が不足しています。

そこで、位置情報を活用することで顧客の多様な行動パターンや来店動機を知り、適切な対応や戦略につなげることができる方法について紹介していきます。

店舗運営者が知りたい来店者情報

店舗運営者が来店者分析で知りたい情報について以下、多岐にわたりますがその例をあげていきます。

  • 来店者の属性情報: 年齢、性別、職業など、来店者の基本的な属性情報を知ることで、ターゲット層を理解し、商品やサービスのカスタマイズに役立ちます。
  • 滞在日時: 顧客が店舗内でどれくらいの時間を過ごすかを知ることで、忙しい曜日や時間帯を特定し、効果的な配置やサービス提供を行う事ができます。
  • 訪問頻度: 一度きりの来店ではなく、リピートしてくれる顧客の割合を知ることで、リピート客を増やすための戦略を構築します。
  • 来店者の居住地: どのエリアから顧客が訪れるのかを知ることで、主要な顧客層がどの地域から来ているかを理解することで、広告やキャンペーンなどの集客を行う際に特定地域へターゲット化した施策を実施することができます。
  • キャンペーンの効果: 広告やキャンペーンによってどれくらいの来店者が増減したかを知り、効果的なマーケティング戦略を評価します。

上記の他にも、自店舗の購買データや店舗内に設置したIOT機器による店内回遊の分析など、さまざまな情報を得て来店者情報を把握する分析もあります。

その他の来店者分析情報

  • 来店者の動線: どのエリアや商品がより多くの関心を引くかを知り、陳列やディスプレイの最適な配置を検討します。
  • 来店者の購買履歴: 過去の購買データを分析し、人気商品や売れ筋商品を把握し、在庫管理や新商品導入に活かします。
  • 顧客の声: レビューやフィードバックを収集し、改善点や顧客の期待に応えるための施策を講じます。

これまでにあげた来店者の顧客情報を的確に収集・分析することは、店舗運営にとって効果的な戦略を策定し、顧客サービスの向上や集客の最適化に寄与することができるのですが、これらの重要な情報を得るためにはどのような方法があるのでしょうか。

位置情報を活用した来店者分析のサービスを紹介していきます。

位置情報データを活用した来店者分析情報

来店者の分析を行える高精度なスマホの位置情報(GPS)を利用したサービスを利用することで、顧客の行動から店舗運営戦略に活かせる様々な情報を得ることが可能です。以下、店舗マーケティングに欠かせない来店者分析の情報です。

  • 来店者の基礎的な商圏情報(人口、世帯人員数、年収など)
  • 来店者の属性(性別や年代)
  • 来店日や来店時間・滞在時間などの特徴
  • 来店者の居住地情報(来訪者が多い地域など)
  • 来店者が立ち寄る最寄りの店舗・施設情報
  • 競合店舗との併用率
  • 来店者の来訪パターン
  • 来店前後の顧客導線(移動経路)…etc

位置情報データを活用した来店者分析の事例

クロスロケーションズが提供する人流分析プラットフォーム「Location AI Platform」を使って実際に店舗・施設への来店者分析を行った具体的な活用例を見ていきます。ここで使用しているデータは、許諾を得た膨大なスマホの位置情報をAI解析した独自の統計分析データです。

1.リアルタイムな市場を分析

  • 競合商品を取り扱っている店舗への消費者行動を分析することによって、自社商品取り扱い店舗と競合商品取り扱い店舗の実勢商圏の違いやカニバリゼーションを見極め、商圏拡大を企画・検証するのに役立たせます。
  • 自社商品を取り扱う店舗への販売サポートに、分析レポートや最適な商圏エリアに向けた販促企画など、人流データを活用した分析を合わせることでより深い企画や販売計画を立てられます。
新商品を取扱い開始した窓口店舗Aの人流が拡大していたことが検証できた! この店舗の周辺に訪れているお客様はどのような地域から来店する可能性があるのか?

2.顧客の行動時間帯を知る!

  • 自社商品の取り扱い店舗の時間帯別の集客状況を比較し、顧客の行動に合わせた売り場サービス企画を実施・検証する。
  • 他社商品取り扱い店舗の人流の時間帯傾向を把握することで、新しい販路の開拓やおススメする商品の傾向が見えてくる可能性もでてきます。
こちらの店舗に周辺にはサラリーマン世代の方がランチ時間に来店増加傾向にある様子。30代や40代の方へ向けた提案金融商品の取扱いを増加提案してみてはどうだろうか・・・? 現在、競合商品取扱い店舗は夜にピークが来ていることがわかる・・・この店舗に新しい商品の営業活動を進めることで販路拡大を見込めるかもしれない。。。

3. 過去の顧客行動情報と比較して今の顧客を深く知る!

新商品の販促キャンペーンを実施した際に自社商品を取扱う店舗に顧客がどのくらい増加したのか?また、昨日比・昨週比・昨月比・昨対比など、さまざまな角度で来店者の状況を比較することができます。また、分析地点を変更するだけで、競合店舗と比較することも可能な為、深い顧客分析を実施することが可能です。

以前とは人流の増減が変わってきている可能性がある。オフィスに出社する方が減ったことが原因かもしれない。何か別のアプローチを模索してみよう・・・ 昨年に比べてこの時期に人流が増加している。来店客の年代差、男女比などに大きな違いが出てきたかもしれない。 この日をさらに深堀して男女構成比や年齢構成が変化していないか確認したい

4.来店者のデモグラ(性別や年代情報)確認でさらに顧客を深く知る!

一年前のお客様の人流と、現在のお客様の人流を比較して変化が現れたのか?がわかった段階で、さらに例えば性別や年齢構成比による人流の確認を深堀していくことも可能です。

男女の構成比は変わったのか? 昨年同月比で年齢構成比がどうなっているのか?
日付ごとの比較、期間での比較、月間での比較、年間での比較などさまざまな時期で深堀検証いただくことも可能です!

5.過去の顧客行動を基に顧客を深く知る!

深堀をした来店者分析の事例として、性別や年齢構成比を分けた時間帯ごとの人流分析方法があります。この分析は、自由に日時や年代、性別を選択するだけで実行ができる分析方法になります。この分析結果により、年代毎の来店時間のピークを把握したり、性別年代毎の昨対比の変化を分析するなど目的に合わせて深堀していくことも可能です。

男女や年齢構成比で来店時間の変化はあったのか? 年齢ごとに来店のピーク時間に差があるのか? 昨年同月比で30代以上がどのように変化しているのか?

日付ごとの比較、期間での比較、月間での比較、年間での比較などさまざまな時期で深掘り検証いただくことも可能です!

人流分析の結果をマーケティングに活用

定量的なデータを基に数値化したことで、店舗や施設への来店動機や行動パターンのインサイトを得ることができます。この来店者分析の結果から得られる情報を有効に活用することで効果的な集客施策につなげることができます。

販促イベントや特別サービスの展開

例えば、特定のエリアや時間帯に来店者が集中している場合、その情報を元に販促イベントや特別なサービスを展開することで、来店者の増加が見込まれます。また、来店者の属性や嗜好が把握できれば、ターゲティングされたキャンペーンや商品提案が可能となり、顧客満足度の向上が期待できます。

競合分析による差別化戦略

競合店舗や同業他社の動向との比較を通じて、差別化された戦略やサービスの構築が可能です。これにより、顧客を引きつけ、競争優位性を確立できます。

ターゲットエリアへの販促展開

これまでの位置情報を活用した「来店者分析」の結果を基に、実勢商圏におけるポスティングエリアの最適化ができます。顧客が多く来店しているエリアや集客に苦戦しているエリアをデータで把握し、販促計画に沿って自店舗のポテンシャルに合ったポスティングや折り込みなどの施策に落とし込みができます。

ジオターゲティング広告の活用

分析結果を基にさらに位置情報データ活用を組み入れることで、より具体的なターゲット顧客を捉えることができるようになります。顧客のリアルな行動の分析結果を基にターゲティングできるデジタル広告では、ジオターゲティング広告がおすすめです。代表的なジオターゲティング広告の手法について簡単にご紹介します。

ヒストリカル/リアルタイムジオターゲティング ユーザのリアル行動に基づいた位置情報広告。店舗周辺等でのリアルタイムターゲティングだけではなく、ユーザの過去の行動から判定し、オンライン行動ではわからないライフスタイルに目を向けたアプローチが可能。
イベントターゲティング イベントや季節ニーズ(スキー場、海水浴場、花見など)に対応した特定期間でのオーディエンスターゲティング。期間当日のリアルタイムターゲティングだけではなく、ヒストリカルターゲティングにも対応。

ジオターゲティング広告は、ユーザーの実際の位置情報や行動データをもとに、趣味や嗜好を把握し、より深い理解をもとに広告を効果的に配信する手法です。ユーザーの移動傾向や過去の行動履歴を解析し、地理的な特性や好みを把握。これにより、ユーザーに最適な広告を提供することができます。

ジオターゲティング広告についての詳しい情報は以下サービスリンクよりご覧ください。

さいごに

自社のマーケティングに位置情報データ分析をプラスすることは、顧客を深く知るための大きな一歩となります。また、これまでの分析結果を次のアクションにつなげる方法にも、位置情報を活用した位置情報マーケティングやジオターゲティング広告などがあります。これらを分析や販促の一手に加えることでさらなる顧客拡大につなげることができるので、まだ取り入れていない方は是非活用してみてください。 

 クロスロケーションズマーケティング担当者
クロスロケーションズ株式会社マーケティングチーム

クロスロケーションズは位置情報ビッグデータの独自解析エンジンとその機能を使ったクラウド型人流分析プラットフォームを展開しています。 マーケティングチームでは、「Location Engine™」から取得できる準リアルタイムの人流統計データを活用してビジネスから社会課題の解決まで幅広くお手伝いができるように活動しています。

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