観光地や商業施設を訪れた訪日外国人旅行客が「どこから来て、どこへ向かったのか」。その前後の移動経路を、125m四方の細かなメッシュ単位で可視化できる。そんなデータやレポートが今、インバウンド戦略には欠かせない価値を持っています。
本記事では、目的地を起点に訪日外国人の行動ルートを地図上に分かりやすく描き出すことで、「どの地域のどのエリアに観光客が集中しているのか?」、「来訪の前後にはどの地域と接点があるのか?」といった動きを直感的に把握できるインバウンドレポートサービスについて解説します。
このデータやレポートを上手く活用することで、観光地や店舗の訪問者の背景や流れを読み解き、広告配信・導線整備・受け入れ対策など、次の一手に繋がる“実行可能な分析”を支援します。
「目的地には来てくれる。でも、その前後の移動が見えない」インバウンド分析の盲点とは?
- どの空港・宿泊地を経由して目的地に来ているのか?
- どんな経路をたどって観光地や商業施設に訪れているのか?
- 訪問後、訪日外国人はどこへ移動しているのか?
こうした疑問を抱えながらも、具体的な調査手法がわからない、あるいは費用感やデータの信頼性に不安を抱えているという相談を、私たちは自治体や商業施設のご担当者様から多く受けています。
実際、「施設に来訪しているのは分かるが、流入ルートや次の動きが把握できない」ことが、広告配信、受け入れ導線、観光ルート整備における大きな課題になっています。
このような課題に応えるのが、訪日外国人の動向を分析するシステム『インバウンドアナリティクス+』とそのオプションメニュー「移動経路メッシュ分析」です。

課題を解決する“目的地起点”の分析レポート「移動経路メッシュ分析」
この分析レポートは、訪日外国人旅行者が「いつ・どこから来て・どこへ向かったのか」を125mメッシュ単位で把握できるデータ可視化型のインバウンド分析サービスです。また、管理画面上で直感的に操作しながら移動傾向を確認することができます。
担当者は、調査対象となる分析地点(POI)を指定するだけで、その地点に来訪した端末の前後2日間の移動履歴を、グローバル42億ID規模の位置情報データをもとに高精度な粒度で分析。BIツール「Tableau」によるヒートマップ形式のレポートとして納品されるため、動きが視覚的にわかりやすく、マーケティングや戦略立案にすぐに活用することができます。

実際に、どんな分析ができるのか?
1.観光施設が知りたい外国人旅行客の「訪問前後の移動経路」
ある観光名所を訪れた外国人観光客が、前日にどこに滞在していたのか?
また、その訪問後にどのエリアへ移動しているのか?
この流れを地図上で色濃く可視化することで、「次に打つべき施策」が明確になります。

例えば、ある観光名所に訪れた外国人の場合
- 前日にどの空港または宿泊エリアに滞在していたのか
- 訪問後にどのエリアへ移動しているのか
このような「前後の動き」を可視化することで、以下のような具体的施策につながります。
具体的な施策
- 前日宿泊エリアとの連携による周遊施策の立案
- 来訪前の滞在地での広告出稿(例:空港・駅・宿泊施設)
- 訪問後に集中する観光地とのパートナー施策
2.商業施設なら「来店ルートと居住・宿泊エリアの把握」に活用
商業施設にとって重要なのは、外国人旅行者がどのタイミングで、どこから来店しているのか、そして来店後にどのような動線で移動しているのかという“消費行動”の流れです。
特に、旅行中の行動ルートの中で自施設がどの位置づけにあるのかを把握することは、広告配信エリアの最適化や施設内導線の改善に直結します。

例えば、関西圏にあるショッピングモールの場合
- 関西空港到着から何日後に来店しているのか?
- 来店前後に滞在しているエリアは?
- モール訪問後の動きは「買い物」か「周遊観光」か?
こうした情報は、以下のような販促・マーケティング施策に活かせます。
具体的な施策
- 来訪前エリアへのSNS広告配信(旅前ターゲティング)
- ホテルや観光地と連携したパッケージ販促
- 導線を踏まえた店舗レイアウトや館内サイネージの最適化
インバウンドレポートの仕様と分析項目
前提条件
- 対象:訪日外国人(インバウンド)端末データのみ(日本人除外)
- 分析単位:1地点~
- 分析期間:2024年1月~
- 追跡期間:前後2日間~1週間のデータ
- 分析粒度:125m四方のメッシュで移動をプロット
- データ:推計ではなく実数(匿名統計処理済)
- 出力形式:レポートやBIツール「Tableau」形式のファイルで納品

※BIツールを利用していない場合でも無料で閲覧可能な形式で納品いたします。
※既存のTableau環境がある場合はクラウド上での共有にも対応
分析項目(主な可視化ポイント)
① 滞在傾向の可視化(ヒートマップ)
- 日別/時間帯別/国別の来訪端末数
- 滞在地点の密度をヒートマップ表示 ※滞在場所(メッシュ)でヒートマップ
② 前後移動の可視化(動線分析)
- 分析地点に来訪した訪問者の前後1週間の移動経路を時間軸順にメッシュで可視化
- Tableau上で「期間」「国籍」「時間帯」でフィルター対応
- メッシュコード別のID数もExcel出力可能
③ 滞在メッシュ分析
- 分析地点内の「特に滞在時間が長い(滞在集中エリア)」場所の傾向把握
- エリア内の特定スポットに対する興味関心の濃淡も分析可能
なぜ“地点起点”での移動経路が重要なのか?
従来のインバウンド分析では、「国別来訪者数」や「平均滞在時間」など静的・集計型の指標として全体傾向の可視化にとどまりがちでした。しかし、インバウンド市場が成熟する現在、求められるのはより戦略的な判断に資するために、「行動の前後関係=動的な流れ」の把握が欠かせません。
“なぜそこに来たのか”“そのあとどこへ行ったのか”をデータで把握することは、ターゲティング広告・エリア戦略・プロモーション設計の成否を左右します。
クロスロケーションズが提供するインバウンド分析メニュー『移動経路メッシュ分析』は、125m単位で移動経路を可視化できる現場に求められるサービスです。また、Tableauを利用している方は、さらにインタラクティブな操作性とあわせて、次のアクションが生まれる“本当に使えるインバウンドデータレポート”となります。

お問い合わせ・ご相談はこちら
訪日外国人旅行客の行動を“点”で捉えるのではなく、“流れ”で捉えることで、施策はより確かなものになります。商圏づくり、広告展開、観光戦略の次のステップに向けてぜひお気軽にご相談ください。
詳細な費用感や納品スケジュール、活用方法についてご説明させていただきます。
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