全国有名神社のお正月初詣参拝者数の変化を把握するため、携帯電話の位置情報を活用して独自に推計した人流データを基に、2024年初詣の人出を分析しました。このような年間行事の分析を通じて、各地域の観光動向や社会的な要因の影響を具体的な数値で把握し、客観的な視点から物事をとらえることができます。
本記事では、全国の初詣人気スポットから7つの神社を選び、2024年の三が日と最初の三連休の初詣参拝客の人出を昨年度と比較して調査いたしました。
初詣の人流調査
初詣人気スポット人流調査から、各神社の参拝者数の増減結果からお伝えします。まず、昨年度と比較して、東京の明治神宮が最も参拝者数の人出が増えていることが分かりました。一方で、神奈川県鎌倉市にある鶴岡八幡宮では、-14%の結果が表示され、神社の中で最も著しく減少したことが分かりました。
各神社の人出と増減率
分析地点 | 2023年1月1日~3日 2023年1月7日~9日 | 2024年1月1日~3日 2024年1月6日~8日 | 増減率 |
---|---|---|---|
明治神宮 | 354,000人 | 389,000人 | 10.0% |
成田山新勝寺(千葉) | 260,000人 | 258,000人 | -0.8% |
伏見稲荷大社(京都) | 163,500人 | 169,000人 | 3.4% |
住吉大社(大阪市) | 252,000人 | 230,000人 | -8.7% |
浅草寺(浅草) | 353,000人 | 341,500人 | -3.3% |
川崎大師(神奈川) | 309,500人 | 307,500人 | -0.6% |
鶴岡八幡宮(鎌倉) | 226,000人 | 194,000人 | -14.2% |
対象の初詣人気スポットの神社
・明治神宮
・成田山新勝寺(千葉)
・伏見稲荷大社(京都)
・住吉大社(大阪市)
・浅草寺(浅草)
・川崎大師(神奈川)
・鶴岡八幡宮(鎌倉)
人流調査期間
調査期間は2024年、2023年の三が日(1日~3日)と最初の三連休を調査期間としています。
・2023年1月1日(月)~3日(水) | 2023年1月7日(土)~9日(月)
・2024年1月1日(日)~3日(火) | 2024年1月6日(土)~8日(月)
分析結果の概要
人出が増えた神社
明治神宮: 全体で見ると10%の増加率がありますが、三が日の人流データで比較すると、2日の人出が大きく減少していることが分かりました。これは、1日に発生した能登半島地震の影響で人の流れが鈍った可能性が考えられます。
横ばいまたは微減した神社
成田山新勝寺、伏見稲荷大社、川崎大師: これらの神社は、2023年の結果から微減または横ばいの数値となりました。
人出が減少した神社
住吉大社、浅草寺(浅草)、鶴岡八幡宮(鎌倉): このカテゴリでは、特に鶴岡八幡宮(鎌倉)が-14.2%と顕著な減少を示しました。明治神宮と同様に、2日に著しく人出が減少していることが以下の図に掲載している日ごとのグラフから確認ができます。こちらの神社も関東に位置していますが、地震の影響から外出を控える傾向が出た可能性が考えられます。
2024年の初詣人流調査から見ると、神社ごとに異なる動向が浮かび上がりました。明治神宮が全体で10%の増加の数値が現れましたが、地震の影響で三が日の2日に人出が減少。他の神社も微減や横ばいの傾向が見られ、特に鶴岡八幡宮は14.2%もの減少が顕著。外出自粛の影響か、2日における人出の減少が共通していることが分かりました。
人流分析を次のビジネスアクションへ
今回の初詣人流分析では、季節行事や社会的要因が来訪者動向に及ぼす影響を客観的なデータで明確化しました。このような人流データ活用は、観光振興や商圏拡大、販促企画立案、新規出店戦略、自治体・事業者間での連携施策検討など、BtoB領域で幅広く応用できます。
データに基づく意思決定によって、パートナー企業・行政機関との連携強化や最適な投資判断が可能となり、安定的な事業成長や地域価値向上につなげることができます。
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年末年始の都市別人流データの分析結果
当社の人流データは、年末年始の動向に関する記事として多数のメディアで紹介されました。2023年12月29日から2024年1月3日までの期間における47都道府県60地点の人出の動向を分析し、前年比と検証した結果をご紹介いただいています。これにより、都市ごとの特徴的な動向が明らかになり、興味深いインサイトが得られています。
興味のある方は是非以下の記事をご覧ください。
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