【観光地・観光客分析】人流データを用いた観光地及び周辺飲食店の課題抽出

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執筆者 XLマーケティングチーム
【観光地・観光客分析】人流データを用いた観光地および周辺飲食店の課題抽出

本記事は、データ分析の専門家でありながら、飲食店の経営も行っている多才な専門家が、自身が生まれ育った地元である長野県の有名観光地である「松本城」とその周辺の飲食店を対象に人流データを活用した観光地分析のレポートをまとめた記事になります。「観光地における集客には何が必要なのか?」についての分析結果をわかりやすく記事にまとめ、解説しております。ぜひ、最後まで御覧ください。

INDEX

観光地分析とは

観光地分析は、観光地の魅力を最大化するために効果的なマーケティング戦略を展開し、持続可能な観光誘致を促進するために行う重要なプロセスです。

たとえば、ターゲット市場の理解、競合分析、観光地のサービス品質評価、需要予測、などさまざまな要素が含まれますが、特定の地域や場所において、観光業界の発展と持続可能な成長を促進するための魅力要因を特定することが必要となります。

近年では、観光地分析は観光DXとしてデジタル技術を活用した観光サービスの向上を行うため、適切な情報を収集し、地域社会、観光業者、観光客に利益をもたらす戦略に利用されています。

位置情報データ✕観光地分析

ここでは位置情報データを活用した観光地分析を行うため、人流分析プラットフォーム「Location AI Platform®」を利用して長野県の松本城をサンプルに、観光地に訪れた来訪者の人流データを収集し、性別、年齢、地域別分布、行動パターンなどを分析した事例をご紹介します。

まずは、松本城と周辺飲食店が直面する具体的な課題を抽出していきます。そうすることで、地域の課題を具体的かつ明瞭に理解し、解決へのアクションをとることができます。これは、観光地や飲食店が持つ可能性を最大限に引き出すための重要なステップとなるでしょう。

位置情報データ×観光地分析

人流データで見る松本城訪問者の性別と年齢層の分析

観光地におけるデータを活用した分析は重要です。また、分析結果を効果的に外部へ伝えるためにも課題を可視化することが不可欠です。人流データは、データをグラフや地図などに落とし込んで可視化することができるため、パターンや傾向を一目で理解することが可能です。

人流データによると、松本城の訪問者は男性に劣らず女性も多く、7割以上が40代ということがわかりました。男女比と年齢層についての分析結果がわかることで、観光地や飲食店で若者をひきつけるための戦略を考える上で重要な手がかりになります。例えば、若者をひきつけるためには、インスタ映えするスポットを作成し、インフルエンサーにお願いして発信をしたり、松本城の写真を投稿したりすることで、何か特典を受けられるようなキャンペーンを作成するで話題となり、若者の集客を期待できるかもしれません。

松本城と周辺店舗の課題の抽出

今回の分析対象である松本城は、豊富な歴史と美しい風景で知られる地元の象徴です。人流データで松本城への訪問者の行動パターンを見ると、観光客は松本城だけに集中しており、他の観光スポットへの足が遠のいていることが判明しました。ここから、観光の目的地が松本城のみになっているという課題が結果から見えてきました。また、松本城を観光した後は、コンビニやお蕎麦屋さんに立ち寄っている人が多いということもわかりました。

松本城付近には、城下町のような風情ある商店街や草間彌生さんの美術館に、近代学校建築で始めて国宝となった校舎など、さまざまな観光スポットがあるにも関わらず、立ち寄っている人はいませんでした。これは、松本城以外の観光スポットが観光客に認知されていないということです。

松本城以外の観光スポットを認知してもらうためには、例えば、松本城の観光パンフレットに近くの観光情報を掲載したり、入場料の割引チケットをつけたりするといった工夫をすることで、回遊させることができるかもしれません。これにより、地域活性化の余地を持っていることを確認することができました。

観光地人流分析_松本城
図1.長野県松本城の観光客を人流データで分析した結果をTableauで可視化

松本城周辺の飲食店の分析

次に、松本城周辺にある、観光客に人気のお蕎麦屋さん3軒を人流データで分析してみました。すると、週末のみ混んでいる店舗や平日も平均して来店客数が変わらない店舗など、競合店の特徴を把握することができました。そして、人流データによると、土曜日は3店舗共に混んでいることが判明。そこで、競合店との差をつけるため、土曜日をあえて定休日にする、または営業時間を延ばすなど、データをもとに営業日を決めることができます。

さらに、人流データでは競合店の「客層」も把握することができます。20代の来店が一番多かった店舗では、食べログなどの評価が一番高かったことが理由であることがわかりました。20代はスマホ世代のため、スマホで調べて訪れているようです。

そして、ある店舗では、県外客が7割であることに対し、他の店舗は半々であることがわかりました。県外客が7割の店舗では、食べログなどの評価は3店舗の中で一番低いという結果でした。それにも関わらず、県外客が多いということは、観光スポット周辺で飲食店を選ぶ際は、“ネット評価よりも近い所を選ぶ傾向がある”という可能性があることを、この結果から示唆することができます。

図2.観光地の周辺飲食店を人流データで分析
図2.観光地の周辺飲食店を人流データで分析

分析から抽出した課題と次のステップ

 このように、人流データを活用し、基本的なところから可視化することをファーストステップにするだけでも価値があります。基本的な情報を可視化をするだけで、知りたいことが明確になり、次のアクションにつなげることができるからです。

今回、人流データ✕観光地分析を行ったことで、松本城以外の観光地の利用がないことや、若年層の来訪が少ないといった課題が抽出されました。問題が明確化されたことで、地域全体が一緒に取り組むべき課題として、具体的な行動計画の立案を検討することができます。先にも述べた通り、若者向けのプロモーション活動を行ったり、地元観光スポットと飲食店の連携強化を行ったりするなど、地域全体で課題に取り組むことにより、地域の活性化につながることでしょう。

まとめ

 イベントレポート「人流データを用いた観光地及び周辺飲食店の課題抽出」では、人流データを活用し、松本城とその周辺飲食店が抱える課題を抽出し、可視化してみました。訪問者の性別、年齢、地域別分布、行動パターンなどを人流データを収集して可視化することで、観光地と飲食店が直面する具体的な行動計画を立案することができるようになります。課題が具体的に一目でわかり、解決するためのアクションが明確になることで、地域全体の観光振興や地元経済の活性化につながることを期待しています。

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 クロスロケーションズマーケティング担当者
クロスロケーションズ株式会社マーケティングチーム

クロスロケーションズは位置情報ビッグデータの独自解析エンジンとその機能を使ったクラウド型人流分析プラットフォームを展開しています。 マーケティングチームでは、「Location Engine™」から取得できる準リアルタイムの人流統計データを活用してビジネスから社会課題の解決まで幅広くお手伝いができるように活動しています。

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