【徹底解説】ジオターゲティング広告とは?位置情報を活用した広告配信の仕組みと活用事例を紹介

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執筆者 XLマーケティングチーム
【徹底解説】ジオターゲティング(位置情報)広告とは?位置情報を活用した広告配信の仕組みから事例までを紹介

ジオターゲティング広告についてその仕組みからメリットまでを詳しく解説していきます。また、位置情報を利用した類似の広告サービスにも触れ、それぞれの特徴を比較して説明いたします。

INDEX

ジオターゲティング広告とは?

ジオターゲティング(位置情報)広告とは、パソコンやスマートフォンから得られるGPSやWi-Fiなどの位置情報をもとに、特定の地理的領域や場所に関心・関連を持つユーザーをターゲットに絞って広告を配信するデジタル広告手法です。

これにより、広告主は特定の地域や施設の周辺にいる人々に対して、タイムリーかつ効果的な広告を展開することができます。例えば、今その場所にいるユーザーをターゲットにリアルタイムで広告を配信することが可能です。

ジオターゲティング広告のメリット

ジオターゲティング広告には様々なメリットがあります。特に、ターゲットとなる地域や地理的な特性に基づいた広告を配信することができるため、地域による需要の差異を見据えた効果的なマーケティングが可能です。

1.地域別ターゲティング

地域による需要の違いに応じた広告メッセージを配信できます。例えば、地域ごとの気候やイベントに合わせた広告配信が可能です。

2.リアルタイムでのアプローチ

イベント会場や特定エリアにいるユーザーに、その場で関連情報を提供できるため、イベント会場でのプロモーションや店舗周辺でのクーポン配布など、効果的な訴求が可能です。

3.来店促進とブランド認知

店舗や施設にいるユーザーにターゲットを絞ることで、来店率の向上やブランド認知の強化に役立てられます。

ジオターゲティング広告のデメリット

一方で、ジオターゲティング広告にはいくつか注意点もあります。例えば、ユーザーの位置情報取得には、個人の同意が必要であり、プライバシー保護の配慮が欠かせません。また、場所の特定精度に依存するため、屋内や地下などでは位置情報が不正確になることがあり、広告配信が最適化されない場合があります。

ジオターゲティング広告の手法

ジオターゲティング広告には、過去に特定の場所にいた人をターゲットにする「ヒストリカルターゲティングと、現在その場所にいる人をターゲットにする「リアルタイムジオターゲティングの2つの主要な手法があります。それぞれの特徴についてご紹介いたします。

ヒストリカルターゲティング

ヒストリカルターゲティングは、過去に特定の場所に訪れたユーザーをターゲットにする手法です。例えば、アウトドア用品や関連する衣服などを提案するキャンペーンでは、過去に特定のキャンプ場にいた人 “今はキャンプ場にいなくても” の足跡を基に対象のオーディエンス(広告を配信するユーザー層)として広告メッセージを送信することができます。

リアルタイムジオターゲティング広告

リアルタイムジオターゲティングは、ユーザーが現在いる場所に基づいて広告を配信する手法です。これにより、ユーザーが今どのエリアにいるかに応じた広告配信が可能になります。例えば、イベント会場や店舗周辺にいるユーザーに今届けたい特定の広告メッセージ(クーポンや告知案内など)を送信することでタイムリーな訴求で集客効果を高めることができます。

以上の2つの手法を目的に応じて活用することで、人の行動特性に合わせたメッセージ訴求を実現します。それでは、次にクロスロケーションズが提供するジオターゲティング広告のサービスを見ていきましょう。

豊富なジオターゲティング広告のサービス一覧

クロスロケーションズは、スマートフォンの位置情報データを様々な角度で分析・グループ化し、マーケティング目的に応じた多彩な広告サービスメニューを提供しています。

ジオターゲティング広告サービス一覧表
ジオターゲティング広告サービス一覧表

ジオリターゲティング広告(CRITEO)

国内ECシェア85%以上、国内インターネットユーザー92.6%をカバーするCRITEOのコマースデータ基盤を、ジオターゲティング広告に活用できるサービスです。

ジオターゲティング広告CPC

店舗の周辺や顧客の居住地に、折込広告やチラシ・ポスティングに代わって継続的にスマホ広告を配信するメニューです。

ジオターゲティング広告プレミアム

ユーザーの過去の行動履歴をもとにターゲットのオーディエンスを構築した「ヒストリカルターゲティング」と、いまその場所にいるオーディエンスに広告を届ける「リアルタイムジオターゲティング」を通してアプローチすることができます。

ジオターゲティング広告SNS(LINE/Meta)

スマートフォンユーザーの位置情報を活用して、LINE、Meta(Facebook / Instagram)などのSNSに広告配信するサービスです。コメントやシェアなどSNS上での反応を引き出し、ブランドの認知や拡散に貢献します。

インバウンド(訪日外国人)ターゲティング広告

グローバルのユーザー許諾済みの位置情報を活用した、外国人旅行者(インバウンド)を対象に、訪日観光の各段階(旅マエ、旅ナカ、旅アト)に合わせた広告メッセージの訴求が可能です。

ジオターゲティング広告の効果を可視化する来店計測

クロスロケーションズは、ジオターゲティング広告による集客効果を可視化する来店計測機能も提供しています。広告配信後に、実際にユーザーが店舗を訪れたかどうかを把握することで、費用対効果の高い施策が可能です。この技術により、デジタル広告施策の効果を客観的に確認でき、集客力向上に寄与します。

人流データ分析によって、特定エリア・地点・店舗への来訪・来店を計測する技術の特許を取得:2022年09月28日

ジオターゲティング広告の仕組み

位置情報の取得方法:ユーザーの場所を特定する仕組み

ジオターゲティング広告では、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスが備える位置情報機能(GPSやWi-Fi)を活用し、ユーザーの同意を得た上で現在地情報を取得します。これにより、特定の地理的範囲にいるユーザーに対し、的確にターゲティングされた広告を配信することが可能です。

モバイルデバイスによる位置情報の取得方法

GPS(Global Positioning System)

 スマートフォンがGPS機能を有効にしている場合、アプリは精確な緯度と経度の位置情報を取得できます。これにより、ユーザーのいる場所を精密に特定でき、屋外での位置精度が高まります。

Wi-Fiのアクセスポイント

 デバイスがWi-Fiに接続している場合、Wi-Fiのアクセスポイント情報を使用して大まかな位置情報が取得されます。Wi-Fi接続は特に屋内や地下でも位置情報の取得に有効です。

IPアドレス

 IPアドレスを通して大まかな地理的範囲(市区町村レベルなど)を把握することが可能です。Wi-FiやGPSのような正確な位置取得には向きませんが、広域ターゲティングには利用されます。

リアルタイムビッディング(RTB)を活用

ジオターゲティング広告の配信にはリアルタイムビッディング(RTB)が利用されます。RTBは、ユーザーがモバイルアプリやWebページを開くたびに即座に広告の入札プロセスが始まり、最も適した広告を瞬時に配信する仕組みです。

リクエスト送信

 ユーザーがページやアプリを開くと、広告スペースの情報が広告ネットワークに送信されます。これには、デバイス情報、クッキー、利用履歴など、ユーザーに関するデータも含まれます。

入札プロセス

 広告ネットワークがリクエストを受け取ると、各広告主が広告表示枠に対して入札を行います。入札額が最も高い広告主が、その広告スペースを獲得し、ユーザーに広告が表示されます。

リアルタイムでの広告配信

 この入札は瞬時に行われ、ユーザーがアプリやページを開いたタイミングで最も適した広告が表示されるため、タイムリーなメッセージを提供することができます。

この一連のRTBプロセスにおいて、ユーザーの位置情報は、特定の地域やターゲットユーザーに適した広告を判断する重要な基準となっています。

ジオターゲティング広告のプライバシー保護について

スマートフォンの位置情報を利用。と聞くと、「個人情報は?」と心配になる方もいらっしゃるかも知れません。気になるジオターゲティング広告のプライバシー問題について解説いたします。

ジオターゲティング広告は主にスマートフォンの位置情報を利用した広告配信を行っていますが、2022年4月に施行された個人情報保護法の元、個人情報保護に配慮し、使用者の同意を得たスマートフォンの位置情報を利用しています。また、クロスロケーションズでは業界団体のガイドライン(注1)の規定に遵守した運用を行っています。

LBMA_改正個人情報保護法
出典:一般社団法人LBMA Japan 位置情報等の「デバイスロケーションデータ」利活用に関するガイドライン

(注1)LBMAの位置情報等の「デバイスロケーションデータ」利活用に関するガイドライン

※ジオターゲティングに関する解説はこちら

ジオターゲティング広告の活用事例

スマートフォンの位置情報を活用、蓄積、分析して広告を配信するジオターゲティング広告の活用事例を紹介します。

スポーツブランドメーカー

目的:会員データやオンライン履歴のあるユーザー以外に新商品を届けたい
内容:アウトドア用品(新商品)の訴求
ターゲット:キャンピング好きの人
ターゲットユーザー設定:全国のキャンプ場に来訪履歴がある人
データソース:全国の有名なキャンプ場を住所データなどから指定して分析
※設定したエリアに過去来訪訪れたことがある来訪履歴データを元にターゲティング

食品メーカー

目的:折り込み広告の代替手段としてデジタルを活用した配信を行いたい
内容:新商品のスープを訴求
ターゲット:自社商品を置いているスーパーへ買い物に来る顧客や関連性の主婦層
ターゲットユーザー設定1:指定のスーパーマーケットに来訪履歴のあるユーザー
ターゲットユーザー設定2:来訪者数が多い周辺地域の住民
効果検証:広告を見たユーザーとスーパーに来訪したかを来訪計測を見て計測

その他にも「マンション・住宅販売」を目的とし、所得が安定していてローンが通りやすいファミリー層をターゲットに官公庁・市役所で働いている人をターゲットにしたり、ターゲティングが難しいとされる富裕層に向けて「ハイブランド商品の訴求」を目的として、都内タワーマンションを指定した在住者向けのジオターゲティング広告の活用などがあります。

上記のように様々な業界においても実世界の行動履歴を元にしたターゲティング訴求を実施することが可能です。自社の業種に合うターゲットを元にしたお見積りも可能です。まずはジオターゲティングを元にした分析から始め、訴求や集客につながる広告までの取り組みを活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

クロスロケーションズは、国内での月間9,300万ID以上の位置情報データに加え、全世界で約42億IDに及ぶビッグデータを活用しています。さらに、自社開発の人流分析エンジン「Location Engine™️」および広告配信用エンジン「Targeting Engine™️」を活用し、インバウンド向けにデイリーで130万のスマホIDを分析することで、訪日外国人旅行者に特化した広告配信とレポートサービス【Inbound Marketing Service(IMS)】を提供しています。これにより、企業は特定のターゲット層にタイムリーにアプローチし、インバウンド需要に合わせた効果的なマーケティングが実現可能です。

地域に最適化された広告配信が可能なジオターゲティング広告は、ビジネス戦略を強化するための有効な手法です。クロスロケーションズのサービスを活用し、位置情報データに基づいた戦略的な広告展開に役立ててください。

詳しい内容については、位置情報データを活用したマーケティングサービス「Location Marketing Service」のサービスページをご覧ください。

 クロスロケーションズマーケティング担当者
クロスロケーションズ株式会社マーケティングチーム

クロスロケーションズは位置情報ビッグデータの独自解析エンジンとその機能を使ったクラウド型人流分析プラットフォームを展開しています。 マーケティングチームでは、「Location Engine™」から取得できる準リアルタイムの人流統計データを活用してビジネスから社会課題の解決まで幅広くお手伝いができるように活動しています。

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